「ITパスポート」ってなんだろう?
ITに関係してる資格みたいね。
皆さんは『ITパスポート』という資格をご存知でしょうか?
私は2022年3月にITパスポートの試験を受験し、1回で合格しました。その時に、郵送で送られてきた合格証書がこちらです。
わぁ、こんな合格証書が貰えるのね~。
ITパスポートの試験を受けたきっかけは、IT業界への転職でした。私は鉄道会社に長年勤めていましたが、数年前に未経験の業種であるIT業界に転職しました。
その際、少しでもITについて学びたいという想いから、ITパスポートの資格を取得しました。
この記事を読めば、ITパスポートとはどういった資格なのか?難易度はどれくらいなのか?ということや、試験に合格するためのおすすめの勉強方法が分かります。
私が実際に行った勉強方法も解説していますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
この記事を書いている「あまなっと」です。元電車の運転士、現在はインフラ系SEとしてサーバーの移行や構築をしています。私のプロフィールはこちらです。
IT業界への転職を考えている方は、こちらの記事もご覧ください。
ITパスポートってどんな資格?
ITパスポートとは、ITを利活用するすべての社会人・これから社会人となる学生が備えておくべきITに関する基礎的な知識が証明できる国家試験です。(独立行政法人情報処理推進機構HPより)
ITパスポートは、全部で12の試験区分がある『情報処理技術者試験』という試験のうちの一つです。難易度はレベル1、初級レベルとなっています。
全くのIT未経験者でも、IT業界への一歩を踏み出す導入編として、丁度良い学習内容となっています。私はIT業界への転職にあたり、ITの基礎的な知識・理解を身につけたいと考え、ITパスポートを選びました。
ITパスポートについて、詳しい情報を見てみましょう。
- 試験実施日:全国の試験会場で、原則毎日実施
- 試験会場:全国47都道府県
- 受験資格:年齢・国籍を問わず誰でも受験可
- 受験料:7,500円(税込み)
(ITパスポート 受験要領より)
もちろんIT以外の業種の人や、学生さんにもおすすめできる学習内容です。
受験者数は過去5年間で年々増加しており、令和3年度の応募者数約24万人のうち、非IT系企業に勤める人が約12万人、学生が約6万人と半数以上を占めています。(独立行政法人情報処理推進機構HPより)
IT系を目指す人も、IT系以外の仕事の人にも、ITの基礎的な知識を身につけて、ITリテラシーを高めるための学習として、『ITパスポート』はおすすめの資格です。
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ITパスポートってどんな問題が出るの?
ITパスポートの試験時間は120分で、問題数は全100問です。「ストラテジ系」「マネジメント系」「テクノロジ系」の3つの分野からそれぞれ出題されます。
1000点満点で採点され、出題範囲の3分野のそれぞれが基準点(300点)以上、かつ、全体で600点以上の総合評価点を獲得することが合格の条件となります。
苦手な分野、得意な分野で偏ることなく、満遍なく勉強することが重要になります。3つの分野の出題内容をそれぞれ見ていきましょう。
その1. ストラテジ系(経営全般)
ストラテジ系からは、35問程度出題されます。(「ストラテジ」とは「戦略」のことです。)
経営者の仕事に関する内容です。この分野からは、企業活動や法務、経営戦略、システム戦略など、企業経営に関連した問題が出題されます。
著作権や個人情報保護などの法務に関する出題が多く、社会人の方は見聞きしたことのある文言が多いのではないかと思います。(こういった背景から、ITパスポートは学生より社会人の方が合格率が高いと言われています。)
その2. マネジメント系(IT管理)
マネジメント系からは、20問程度出題されます。
管理者の仕事に関する内容です。この分野からは、開発技術やプロジェクトマネジメント、サービスマネジメントなどに関する問題が出題されます。
ストラテジ系は、ITに関する内容はほぼなかったのですが、この辺りからITの要素が出てきます。私はこのマネジメント系の内容がどうもイメージしづらく、苦戦しました。
その3. テクノロジ系(IT技術)
テクノロジ系からは、45問程度出題されます。
コンピュータの仕組みに関する内容です。この分野からは、コンピュータの基礎理論やコンピュータシステム、技術要素(データベースやセキュリティなど)に関する問題が出題されます。
はい、これはもう名前から分かる通り、IT関連100%の内容ですね。ITの基礎となる二進法の計算や、確率の計算問題があり、文系脳の私は拒絶反応で頭痛を起こしながら勉強してました。(がんばったなぁ、、涙)
※計算問題は時間がかかるので、試験当日は後回しにして、確実に解ける問題から手を付けていきましょう!(私はむしろ「捨てる」ぐらいの気持ちで、颯爽と後回しにしてました。)
試験はCBT方式で行われる
ITパスポートはCBT方式という試験方法で行われます。CBTとは「Computer Based Testing」の略で、コンピュータを利用して実施する試験方式のことです。
受験者はコンピュータに表示された試験問題を、マウスやキーボードを用いて解答します。コンピュータで管理しているので、試験結果は試験終了後すぐに表示されます。(アッという間に結果が分かります。)
また、「試験結果レポート」が受験当日から(一年間)すぐにダウンロードできます。私が受験した時の「試験結果レポート」はこちらです。
ストラテジ系、マネジメント系、テクノロジ系、3つの分野でまんべんなく点数を取る必要があります。(マネジメント系は苦手だったので、点数低めです💦)
試験を受けたら、すぐに結果が分かるのね~。
ITパスポートに必要な勉強時間はどれくらい?
ITパスポート試験に合格するには、どれぐらいの勉強時間が必用なのでしょうか?次の2つのケースによって、必要な学習時間が異なります。順番に見ていきましょう。
その1. IT知識が少しある人
学校で情報処理の科目を学んでいたり、ストラテジ系やマネジメント系に馴染みがある社会人の場合は、勉強時間の目安は約100~150時間と言われています。
1日2時間ずつ勉強するとしたら、約1ヶ月半~2ヶ月かかります。
その2. IT知識がない人、または学生の人
ITに関する知識がほぼゼロの人や、ストラテジ系やマネジメント系の分野に馴染みのない学生の場合は、約180時間の勉強時間が必要だと言われています。
1日2時間ずつ勉強するとしたら、約3ヶ月かかります。
自分はIT知識レベル「0~1」程度の社会人でした。
勉強期間は約3ヶ月半、平日1時間、土日は3時間ぐらい勉強していました。
ITパスポート合格のための、おすすめの3つの勉強方法
次に、ITパスポートに合格するための、おすすめの勉強方法についてです。以下の3つの方法について、私が実践した方法を交えながら解説します。
1・参考書で知識を培う(インプット)
ITパスポート試験を独学で合格を目指すなら、参考書を購入して勉強することがおすすめです。まずは参考書で学び、インプットしましょう。
ITパスポートは年々受験者が増えている人気のある資格なので、とても多くの参考書が発売されています。私のおすすめの参考書を2冊ご紹介します。
※参考書を買うときは、後述するシラバスVerに注意しましょう。
【令和5年度】 いちばんやさしい ITパスポート /高橋 京介
4年連続売り上げ第1位の、圧倒的な高評価を受けている参考書です。試験合格に必要なところだけに絞った解説なので、効率の良い学習を進めることができます。イラストや具体例を用いて解説してくれるので、名前の通り「初心者にやさしい」参考書となっています。
私も、この参考書の令和3年度版を購入して使用しました。文字の色分けや文章の分かりやすさ、イラストの量などのバランスが良くて、理解しやすかったです。一番おすすめの参考書です。
イメージ&クレバー方式でよくわかる 栢木先生のITパスポート教室 /栢木 厚
1冊で参考書+問題集として使えるオールインワンタイプです。イメージイラストが多いので、視覚的に理解することができます。確認問題が多く、ドリル形式で問題を解くことで、知識を定着化させられます。
この参考書は私の職場に置いてあり、入社研修の時にこれを使って勉強していました。イラストや豊富な図解・例え話などがたくさん載っているので、分かりやすかったです。問題をたくさん解きたい方におすすめです。
何回見ても、「栢木先生」の読み方が覚えられませんでした・・・。
2.公式サイトの過去問を解いて、疑似模試を受ける(アウトプット)
参考書で学び、インプットした後は、問題をたくさん解いてアウトプットしましょう。インプットして知識を詰め込むだけでなく、アウトプットして実践しながら苦手分野を発見したり、問題の形式に慣れていくことで、学習効率が向上します。
ITパスポートの公式サイトには、平成21年度以降の過去問題が無料で提供されています。どんどん利用して、じゃんじゃん過去問題を解きましょう!
また、公式サイトでは、CBT試験の受験画面を体験できる「CBT疑似体験ソフトウェア」もダウンロードすることができます。
「CBT疑似体験ソフトウェア」は、本番とほぼ同じ画面・同じ操作で試験の模擬体験ができます。開始と同時に120分のカウントダウンが始まり、最後に採点までしてくれるという、リアル模擬試験が受けられる素晴らしいツールです!(しかも無料!)
私は「CBT疑似体験ソフトウェア」で、3回模擬試験を受けてから本番に臨みました。めちゃくちゃおすすめなので、試験前に必ず1回は使って頂きたいです。
※CBT疑似体験ソフトウェアの対応OSは、Windows 10・11です。他にも動作環境の条件がありますので、詳細は公式サイトをご確認ください。
CBT疑似体験ソフトウェアを使うかどうかで、かなり合格率が変わると思います。時間制限があるので、緊張感も体験できます。無料なのでガンガン利用しましょう!
3.通信講座を受講する
僕はITの知識ないし、いきなり一人で勉強するなんて、やっぱり不安だなぁ・・・。
こんな方におすすめなのが、通信講座です。ITパスポートは、ここ数年で受験者数が増えている人気の資格だけあって、たくさんの種類の通信講座があります。
通信講座を受講すると、以下のようなメリットがあります。
- 時間を有効に使える
- 通学タイプと比較してコストが抑えられる
- サポート体制が充実している
効率的に学習を進めて合格を目指したい人は、通信講座の利用を検討してみましょう。ITパスポートの合格を目指すために、おすすめの通信講座をご紹介します。
おすすめの通信講座①:スタディング
スタディングの一番の魅力は、AIが学習管理してくれるという点です。一人ひとりに合った、最適な学習スケジュールを作ってくれます。専用サイトでAI実力スコア機能が使用でき、合格まであとどのくらい得点が必要なのかを知ることも可能です。
教材は、倍速再生可能なビデオと音声動画があります。Webテキストは、2023年にフルリニューアルされ、より充実した内容になっています。図表を使った分かりやすい講義と、実力を伸ばせる問題演習が、時間・場所を問わずにスマホでいつでも利用できます。
「ITパスポート合格コース」が7,920円と、他の通信講座と比べて料金がお手頃なのも嬉しい魅力です。初回講座と問題集の一部を無料で体験できるので、気になった方はまず試してみてください。
おすすめの通信講座②:クレアール
クレアールの一番の特徴は、「非常識合格法」という、学習範囲を合格に必要な部分に絞ることで、短期間での合格を目指すカリキュラムにあります。とても効率よく学習を進めることができます。
分かりやすいテキストの他に、問題集が2冊あるため、問題演習を多くこなしてアウトプットを行うことができます。テキストや問題集・総合テストは、全てスマホで閲覧し、問題を解くことも可能です。
「ITパスポート試験合格コース」は税込みで11,000円とお手頃価格ながら、オリジナル問題集と解答解説集、ガイドまでしっかり揃っています。
ITパスポートを受験する上での注意点について
ITパスポートを受験するにあたり、知っておくべき注意点があります。主に次の3点です。
1.転職活動でアピールしてもプラス評価を得にくい
ITパスポートは、難易度が低いため、履歴書や面接でアピールすると、逆に「ITエンジニアとして知識レベルが高くないのでは?」というマイナス印象を与えてしまう可能性があります。そのため、転職活動のアピール目的での取得はおすすめしません。
あくまで、「ITの基礎的な知識・理解を身につけるため」、という目的での資格取得をおすすめします。自分の目的やレベルに合っているかどうか、よく検討してから受験しましょう。
2.シラバスのバージョンに注意
ITパスポート試験では、試験の時期によってシラバスのバージョンが変わります。
シラバスとは、試験の出題範囲・出題内容を定めた資料で、主催団体であるIPAが公式サイトで公開しています。下記のリンクからシラバスについて確認することができます。
2023年5月現在、最新のシラバスはVer.6.0 (2022年4月~)です。定期的にバージョンが変更となるので、参考書購入時はシラバスVerに注意し、学習を始めたら早めに試験を受けましょう。
時代に合わせて試験内容が少しずつ変化していってるのね~。
3.試験中、他の人のカチカチ音が気になる
ITパスポート試験はCBT方式で、パソコンを使用して受験します。
もちろん私語は厳禁で、静寂な空間で試験を行うのですが、静かな分、周りの人のマウスのカチカチ音がやたら響き渡ります。
120分・100問勝負で時間との戦いなので、まぁ皆さんカチカチカチカチやるわけですよ。(自分もですが。)会場によっては、防音用イヤーマフが貸し出されています。カチカチ音が気になる人は、防音用イヤーマフの貸し出しの利用をおすすめします。
私が受験した会場では、以下のような防音用イヤーマフがたくさん用意されていました。
CBT方式は初めてだったので、「防音用イヤーマフ」なんて大げさな・・・と思ってました。試験が始まると、あまりにカチカチ音が凄まじくてビビりました。
※マウス音の大小や、防音用イヤーマフ貸し出しの有無は、会場によって異なります。気になる方は事前にご確認ください。
~ まとめ ~
「ITパスポートに一発合格した私がおすすめの勉強方法について解説します」のまとめです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。ITパスポートのこと、かなり分かって頂けたのではないでしょうか?
仕事や学業をやりながら、資格の勉強を行うのは本当に大変だと思います。(私もそうでした💦)でも、時間を作って計画的に勉強して資格を取得することで、大きな自信を得ることができますよ。
興味を持った方は、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
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