レンタルなんもしない人って一体誰なの? ちゃんと実在する人物??
レンタルサービスの話かな? でも、なんにもしないってどーゆーこと??
今回は、『レンタルなんもしない人のなんもしなかった話』という本をご紹介します。著者は『レンタルなんもしない人』さんです。
この本を読もうと思ったきっかけは、『レンタルなんもしない人』というものを知ったことです。一体どんなサービス(人?)なんだろう?、と気になって調べているうちに、この本を見つけました。
この記事を読めば、レンタルなんもしない人とは一体どんな人なのか?、『レンタルなんもしない人のなんもしなかった話』ってどんな話なのか? ということが分かります。
気になった方はぜひ最後まで読んでみてください。
『レンタルなんもしない人』ってどんな人?
まず、『レンタルなんもしない人』さんのプロフィールを見てみましょう。
- 1983年生まれ、既婚、一男あり。
- 理系大学院卒業後、数学の教材執筆や編集などの仕事をしつつ、コピーライターを目指すも方向性の違いに気付き、いずれからも撤退。
- 「働くことが向いてない」と判明した現在は「レンタルなんもしない人」のサービスに専従。
(『レンタルなんもしない人のなんもしなかった話』より引用)
レンタルなんもしない人さんは、れっきとした実在する人物で、「なんもしない」サービスを提供している個人のTwitterアカウント名です。本名は森本祥司さんというお名前のようです。
フォロワー数41万人超えの、とても人気のあるアカウントの方なのですね。(2023年5月現在)
2018年6月3日から「レンタルなんもしない人」というサービスをTwitter上で開始されています。開始された当初の【利用規約】はこちらです。
「レンタルなんもしない人」というサービスを始めます。
『レンタルなんもしない人のなんもしなかった話』より引用
一人で入りにくい店、ゲームの人数合わせ、花見の場所とりなど、ただ一人分の人間の存在だけが必要なシーンでご利用ください。
国分寺駅からの交通費と飲食代だけ(かかれば)もらいます。
ごく簡単なうけこたえ以外なんもできかねます。
こんなの目にしたら、なんだこれは??と気になっちゃいますよね。「なんにも」じゃなくて、一貫して「なんも」を使っているのが拘りを感じるし、文面からひしひしとセンスを感じます。(ナンモさんという知り合いのことを思い出すなぁ・・・。)
架空の人物じゃなかったのね~。
『レンタルなんもしない人のなんもしなかった話』とは?
『レンタルなんもしない人のなんもしなかった話』の、詳しい書籍情報について見てみましょう。
- タイトル: レンタルなんもしない人のなんもしなかった話
- 著者: レンタルなんもしない人
- 発行元: 晶文社
- 発売日: 2019年 4月 20日
- ジャンル: ノンフィクションエッセイ
本の内容は、2018年6月3日にTwitterで「レンタルなんもしない人」のサービス開始を告知してから、2019年1月31日にテレビ番組「スッキリ」に出演するまでの半年間に起こった出来事を、ほぼ時系列順に紹介するものとなっています。
「ノンフィクションエッセイ」と謳われているように、実際に起こったこ出来事について書かれています。2020年にはNEWSの増田貴久さん主演で、テレビドラマ化もされていたそうです。(知らなかったです。ちょっと見てみたいかも、、。)
『レンタルなんもしない人のなんもしなかった話』のあらすじ
『レンタルなんもしない人のなんもしなかった話』は、『レンタルなんもしない人』のサービスが始まってから、依頼した人との実際のやり取りや、起こった出来事を、ほぼ時系列で(だいたい)紹介されています。
依頼の内容は、風船を持つ、行列に並ぶ、ただ話を聞く、ラーメンを奢られる、一人カラオケに付き合う、勉強している時にただそこに居る、行けなかった舞台を代わりに見る、新宿周りの写真を撮るのに同行する、、、などなど、多種多様です。
レンタルなんもしない人さんは、「なんもしない」を公言されているだけあって、口を出したり、手出ししたり、自ら行動を起こすことはありません。基本的には「なんもしない」状態でのレンタルで、自ら話題を提供することはなく、何かしないといけない依頼は断っています。
依頼人から依頼が来て、それに対して返信して、というように、依頼人とのやりとりが記載されています。そして、依頼を受けたものは、何をしたかということや、出来事について書かれています。基本的には淡々と日時が進んでいく、という感じです。
話を聞いて貰うとか、一人カラオケに付き合って貰うとか、意外なところに需要があるのね~。
『レンタルなんもしない人のなんもしなかった話』の印象に残った依頼2選
最初のうちは認知されていなかったこともあり、依頼は少なかったのですが、日を追うごとに依頼数は増えていきます。その依頼内容が多様で、ちょっと変わっていて、面白いんです。
独特の依頼をする依頼人と、「なんもしない」人である「レンタルなんもしない人」さんとのやりとりは、なんとも不思議でくすっと笑えるものがほとんどです。
そんな独特の依頼の中から、私がとても好きな依頼の話を2つご紹介します。
1.「引越しを見送って欲しい」
2018年9月3日の依頼で、「今度10年住んだ東京を離れて、地元の大阪に引越しをするのですが、もし空いていたら『友人の見送り』をレンタルしたいです。」という内容です。
レンタルなんもしない人さんは、依頼者の部屋から東京駅まで一緒に会話しながら同行し、新幹線に乗った依頼者をホームから手を振って見送りをされました。
この依頼の後、レンタルなんもしない人さんは、このように言っています。
「演技のない名残惜しさで見送れた。こういうことをする関係の友達いないので得難い経験だった。」
『レンタルなんもしない人のなんもしなかった話』より引用
この時、依頼者が新幹線の車内から、ホームで手を振っているレンタルなんもしない人さんを撮った写真が掲載されています。この写真に、凄くいい笑顔で写っておられます。
また、依頼者の方も、次のように言っておられました。
「知らない人にお見送りされるのも楽しかったし、変に寂しい気持ちならなかったのも何もかも本当によかった~」
『レンタルなんもしない人のなんもしなかった話』より引用
この依頼は、お二人にとって、とてもいい出会い、いい出来事になったのだなぁと思いました。
私はしょっちゅう引越しを繰り返すタイプなので、もしもレンタルなんもしない人さんをレンタルするなら、これだ・・・!と、ニヤニヤしていました。
全然知らない人に「引越しを見送って欲しい」だなんて、発想が面白いなぁ~。
2.「猪を着た女性が通行人に挨拶するのを見届ける」
2019年1月4日の依頼で、こんなものがありました。
「今日は朝から井之頭公園で、猪を着た女性が通行人に挨拶しているところを見届けています。」
『レンタルなんもしない人のなんもしなかった話』より引用
依頼内容について、あまり詳細に書かれていないのですが、猪を着た女性の写真が3枚掲載してあり、「身をかがめて猪の度合いを強め出した。」と説明されているように、猪の本気度合いが分かりました。
「いい新年の迎え方ができました。」と、サラッと締めくくられていましたが、私は猪から受けた衝撃が大きくて、しばらくそのページから離れられませんでした笑。(2019年の干支は「亥」、つまり猪でした。)
※コメントは『レンタルなんもしない人のなんもしなかった話』より引用しています。
着ぐるみ(?)シリーズでいうと、2018年11月6日の依頼で、「落ち葉の衣装を着て道行く人に『おはよー!』と手を振って無視される」のに同行する、というものもありました。
レンタルなんもしない人さんが、独特な感性をお持ちの方だということは、もちろんよく分かりました。しかし、依頼をする人たちも同等、もしくはそれ以上に、独特で不思議で素敵な人ばっかりじゃないか!、と思いました。
ユニークな依頼人さんがたくさん出てくるので、読んでるだけで楽しいっす。
『レンタルなんもしない人のなんもしなかった話』を読んだ感想
『レンタルなんもしない人のなんもしなかった話』を読んだ感想です。
🧢 アイデアに脱帽
まず、「レンタルなんもしない人」というサービスを発案された、そのユニークなアイデアに脱帽しました。
言葉の選び方や言い回しにキラリと光るセンスを感じ、【利用規約】やTwitterの問答を見て「この人頭よさそうだな・・・。」と思っていましたが、経歴を拝見して「やっぱり賢い人や、、!」と変に納得しました。(理系の人に対するリスペクト大きめです。)
「レンタルなんもしない人」というサービスは、自分が食事を奢られる事をサービスとしている「プロ奢ラレヤー」さんから着想を得たと、本の中で記載がありました。(この方のことも初めて知りました。世の中には本当に色んな人がいるものですね。)
TwitterというSNSを用いて独創的なサービスを提供し、沢山の人に認知されて受け入れられていった、レンタルなんもしない人さん。
この本は、最初は何者でもなかった1人の男性が、SNSを活用してやりたいことをやって、「レンタルなんもしない人」という人気者になる過程の話なのだと思いました。
つまり、アイデアと手段を用いて行動すれば、誰でも何者かになれる可能性があるという、そんな夢のある話でもあると感じました。
🧢 ブレない人柄が魅力的
「レンタルなんもしない人」さんは、【利用規約】にもあるように、自分でルールを決められています。本書に記載されているルールの一部をご紹介します。
- 国分寺駅からの交通費と飲食代だけ(かかれば)貰う
- ごく簡単な受け答え以外なんもできかねる(話題を提供することは一切ない)
- 写真を撮るのはOKだが、服装を工夫したり、何らかの工作をするのはできかねる
- 車の運転だけは絶対やらない(乗るのも嫌)
- 何かを観る・聴くなどしてその感想を聞きたい系は、感想のレベルへの期待を極限まで落としてもらえるなら可能
- 不貞行為になる物は断る
- 身に危害が及ぶ可能性のある依頼はやらない
(『レンタルなんもしない人のなんもしなかった話』より一部引用)
このように、基本的に「自分がやりたいことだけやる、嫌なことはやらない」というスタンスで活動されています。交通費・飲食代などの経費以外はお金を貰わっていないことも、これができる要因の一つかもしれませんね。(※現在は有料で依頼を受けておられるようです。)
このサービスを開始した当初から、ブレずに一貫して行動しているレンタルなんもしない人さんの、媚びない素朴な印象の人柄が、たくさんの人に指示されている理由の一つなのではと感じました。
ルールを読んでるだけでも面白いわ。
もっと読みたいかも笑。
『レンタルなんもしない人のなんもしなかった話』はこんな人におすすめ
『レンタルなんもしない人のなんもしなかった話』は、こんな人におすすめしたい本です。
- レンタルなんもしない人のことが気になった人
- レンタルなんもしない人と、不思議で素敵な依頼人とのやりとりが知りたい人
- Twitterを始めてから日が浅い人
- SNSを利用して何かやってみたいと考えている人
基本的には時系列順に淡々と依頼の話が進んでいくのですが、クスッと笑えるやりとりがいっぱい転がっている、そんな本です。
『レンタルなんもしない人のなんもしなかった話』を読む方法
『レンタルなんもしない人のなんもしなかった話』は、Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでそれぞれ購入可能です。
日頃から使っているサイトで購入すれば、初期登録など不要でポイントも貯まるので、お得です。
~ まとめ ~
『レンタルなんもしない人のなんもしなかった話』を読んだ感想|不思議で素敵な人たち のまとめです。
- 「レンタルなんもしない人」は実在する人物で、「レンタルなんもしない人」というユニークなサービスを提供する人気者
- 「レンタルなんもしない人のなんもしなかった話」は、「レンタルなんもしない人」のサービスを開始してから、半年の間の出来事を時系列順に紹介したもの
- 「レンタルなんもしない人」も、依頼人たちも不思議で素敵な人たちで、やりとりはちょっと心温まる
- SNSを活用して何かを始めるヒントが得られるかもしれない
ここまで読んでくださったあなたは、きっと『レンタルなんもしない人のなんもしなかった話』が気になって読みたくなってるのではないでしょうか?
ぜひ一度読んでみてくださいね。
調べたところ、この本の続編も出ているみたいなので、次はそちらも読んでみたいと思います。
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